2019年9月20日金曜日

Story of one Boatman(ある船頭の話)

Lobby of second Floor (Kyoto Minami-kaikan)
Indication of Screen 2
 
Inside of Screen 2
Story of one Boatman
Dramtization & Director : Odagiri Jo
Walking Trajectry
(JR Kyoto Station, Kyoto-minamikaikan, Sarute)
Walking 9.01 km, 10794 Steps

  本日から京都みなみ会館でオダギリジョーが脚色・監督した映画「ある船頭の話」がロードショウ公開されるとのことで、午後から出かけた。

  この日曜日にはオダギリジョーが来館し舞台挨拶をするとのことで、日曜日の切符は売り切れであったが、本日は空いていた。

  主演は柄本明である。明治から大正にかけての日本の山里の近代化が進む頃の話である。自然豊かな山間部の川の渡し舟の船頭が柄本明の役であった。

  近くにレンガ作りの橋が建設され、その結果船頭の仕事がなくなる。完成までの間、船に乗る客、知り合いとの付き合いなど、川沿いの小屋に住みながらの日常生活が描かれている。

  日本の四季を彩る自然の風景が誠に美しく描かれている。音楽も抒情的な静かな響きが館内に流れる。

  客、知り合い役には、蒼井優、笹野高史、草笛光子、細野晴臣、橋爪功などの有名人が出ていた。

  川で流された少女を助けるが、その少女役には17才の川島鈴揺(かわしまりりか)が抜擢されている。

  仕事がなくなるとの苦悩もあるが、文句も言わず毎日淡々と仕事をこなし、助けた少女と暮らす。

  そして橋が完成すると仕事はなくなり、最後は小屋を焼き払い川を下っていく場面で終わる。

  エンディングロールの背景は、雪の降る中、川を下っていく船が俯瞰法で撮られており、日本の自然の美しさを際立させている。

  映像撮影、音楽とも外国人が担当しており、日本の特徴をうまくとらえていた。

  話の内容は、廃線になる鉄道員の話、高倉健主演の「ぽっぽや」に通ずるものである。愚直に仕事に徹して一生を終える一庶民をしみじみと見せてくれる。

  柄本明の姿そのものがその人生であると感じられた映画であった。

  第76回ヴェネチア国際映画祭に出品されたばかりという。世界の人々に日本の自然、日本人の心が伝わればうれしく思う。

  一方、現実に目を向けると、昨日福島原発事故の裁判で、東京電力経営陣に無罪判決があった。愚直に働く庶民の感覚と真逆の判決である。

清らかな 日本汚す 権力者
(きよらかな にほんけがす けんりょくしゃ)

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