ドイツに住んでいたころ、ドイツの首相はコールさんであった。本日、コールさんが亡くなったというニュースが流れた。
1990年からドイツに住み始めたが、ちょうど東西ドイツが統一した直後であった。住み始めたころはまだ旧東ドイツは高速道路もガタガタ、空気は汚染され、車はトラバントという軽自動車みたいなプラスチックの自動車、何かにつけて旧西ドイツとの格差があまりにも大きかった。
2月のカーニバルではコール首相の山車が出て、一つは統一という表示で笑顔のコール首相があり、対照的に苦み腐った顔のコール首相もあった。それには「我々は節約しなければならない」という表現がなされていた。
あれから27年経ち、見事に困難を克服してドイツは立ち直っている。今では国家財政は常に黒字、世界一の赤字財政の日本と対照的である。
またEU統合という今までにない試みを推進したのもドイツである。過去の戦争の反省から国境をなくそうという試みである。
EU統合が可能になったのは、ドイツが先の戦争の責任を痛感し、回りの諸国に対して諸国が納得のいくよう真摯にその償いをしてきたことに他ならない。東西ドイツの統一により大ドイツの再現を心配する声はいつの間にか消えていった。
東西ドイツの統一、さらにはEU統合の主導的役割を果たしたのがコール元首相であったといえる。今だに周辺諸国との間で先の戦争に対するいざこざが絶えない日本の政治家と違って、対照的で偉大な指導者であったと思う。
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