2018年7月1日日曜日

ホリエモンロケット失敗

ホリエモンロケット失敗の模様(U-tube画面)
本日の散歩 5.37km、8389歩

  ホリエモンロケットがまた失敗したというニュースが昨日流れた。すでに1回失敗しており、2回目も失敗したという。

  IT事業で名をはせたホリエモンであるが、純粋の科学技術が必要な分野ではIT技術のようにはうまくは行かないようである。

  IT事業を支えるソフトウェアは人間が作ったプログラミング言語を駆使している。この分野の技術者は自然科学に基づいた理工学の知識は全く必要ない。文学部出身者でも、だれでも一人前になれる。

  IT以外の工業製品作りには各部品から始まり体系的な技術基盤を作り、その集大成として製品が完成される。IT技術と違って、まずは基盤になる自然科学に基づいた技術体系がないと、うまく偶然成功してもその再現性がなく商品としては完成しない。

  物作りの経験で、よくあるのは幻のサンプルである。速さを競って最初のサンプルが出来ても、生産に移行すると同じものが出来ないということがよくあった。その技術の周辺技術が未経験のため、外乱によりぶれるためである。

  おそらくホリエモンはIT技術と同じように、開発スピードを開発実務者に強く求めているものと思う。トップが実際の物作りの開発経験者でない場合、仕える実務者が段階を得ながらデーターを取りつつ技術の基盤を作ることが必要であると主張しても受け入れられないことがよくある。

  自然現象は複雑である。まだまだ未解明なことの方が多い。予期しないことが起こる。それ故、一歩ずつデーターを確認し確実な技術にすることは、結局は早道になる。

  今までの日本でのロケット開発は国家プロジェクトであり、各部品の精度も民生用とは違い特注のものが多い。今回はコストを下げるために民生用の部品を多用しているという。

  民生用を使うことは当然であるが、その採用に当たっては小規模でも実験を繰り返して、ロケット用に使えるか慎重で地道な実験・データー取りが必要である。このような段階的な実験をどれだけ実施したのか、大変疑問に思う。

  この開発は、まずは資金回収のための日程計画がありきで、それに従った開発日程が優先されたものと推定する。実験などの手抜き技術開発で、かえって遠回りしているようである。

  現役時代にも同じようなことを経験しており、結局は開発未経験者がトップになると起こりやすい失敗である。

  ホリエモンが個人的な資金で進めている道楽なら第三者がとやかく言うことはないが、インターネットで募った一般の出資者の資金で進められているという。

  詐欺まがいの投資話が多いこの世の中、このプロジェクトも何かきな臭い印象を受ける。

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