三軸織物(炭素繊維)
三軸織物
(アラミドなどのハイテク繊維)
本日のWEB業界新聞に三軸織物の記事が載っていた。もともとアメリカのバーバーコルマンが NASA と共同で宇宙開発用構造体の補強材料として開発したものである。宇宙開発用のため大変なコストをかけている。
このNASAとの開発状況は当時情報として得ており、将来一般産業用にも使えないかと考えていた。その後バーバーコルマンはこの技術を一般用途に展開することを断念している。
忘れかけていたが、本日の記事でこの技術が日本の福井の小さな企業で実用化されていることを知った。
この会社は従業員16名の会社で、バーバーコルマンの特許を買い取り、織機の開発から、用途開発まで進めている。
世界で唯一の三軸織物会社で、すでに世界的に認知され事業として成り立っているそうである。宇宙開発用のみならず、スポーツ用品、建築内装材、モールディング、パラボラアンテナなどの用途がある。
戦後日本の経済成長を支えたのは技術力である。基本特許は欧米にあったものを、日本が実用化に結び付けたものは液晶などたくさんある。
実際に係った仕事でも、自動車タイヤ用HMLSポリエステルタイヤコードも同じである。基本特許はアメリカセラニーズが持っていたが、日本が世界で初めて実用化している。今では、全世界の乗用車用タイヤコードにはこの繊維が使われている。
今中国を初め、規模の大きな企業が世界を席巻しているが、日本にはこのような超小規模の企業が独自の技術力で成長しているところがある。これからの日本の方向を示しているのではないかと思う。
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