"Ichitaro" was defeated by Microsoft Word
Developer of Ichitaro still has Dream of IT
(WEB News dated 12th of June, 2023)
NEC PC-98, Colour Monitor, Colour Printer on my Desk of Home
(around 1989)
昨日のWEB ニュースで「一太郎」の開発者が、さらなるITの可能性を追求するとの記事があった。
今ではパソコンなどのIT機器が世界中の家庭にも普及しているが、その歴史を体験してきた者にとって日本語ワープロソフト「一太郎」は、日本での本格的なIT機器の普及に大きな役割を果たしたと考えている。
日本ではパソコンといえばまずは8ビットのNEC8000シリーズであるが、ワープロなどの本格的なソフトは使えず、ほとんどはマニアが Basic の言語を使ってプログラミングして使用していた。
しかし1982年に16ビットの NECーPC98が開発され、パソコンの機能が飛躍的に拡大した。そして、日本語ワープロ「一太郎」が1985年に発売され、各方面で利用されることになる。
小生も1987年ころにはNECーPC98パソコン、カラーモニター、カラープリンター、ソフトとして「一太郎」、図形ソフト「花子」、表計算ソフト「ロータス 1-2-3」など、一式を自宅に導入している。すでに東京に住んでいたので、当時一番安売りしていた
秋葉原のソフマップで購入している。
当時ソフマップは創業したばかりであり、秋葉原のマンション一室を借りて細々と店をやっていた。その後急成長し全国に広がったが、今ではビックカメラの子会社になっている。
ソフマップという当時一番安売りの店でパソコン一式を購入したが、それでもソフトも含めてしめて100万円くらいかかった。今からは想像できない高い値段であった。
まだ会社ではパソコンは導入されておらず、仕事の報告書、図面、私的な宛先管理、年賀状印刷、家計簿など個人的に活用していた。
そして1995年にマイクロソフトがOSウインドウズを販売し、パソコンの世界は一変する。このウインドウズにはワープロソフト「ワード」、表計算ソフト「エクセル」がついており、ウインドウズを導入することにより、自動的にソフトは「ワード」、「エクセル」に変わっていった。
まもなく「一太郎」、「ロータス1-2-3」は衰退していくことになる。そして今では「ワード」、「エクセル」が主流となっている。
ウインドウズが普及し、会社でもパソコンが使われるようになる。その時「ワード」を初めて使ったが、日本語ワープロとしては最低であった。すでに「一太郎」では人工頭脳に近い機能が入っており、いちいち漢字ごとに変換しなくてもまとめて変換すると、かなりの確度で正しく変換されていた。
一太郎 ワープロ技術 最高だ
(いちたろう ワープロぎじゅつ さいこうだ)
今でも「ワード」では単語ごとに変換しないと正しい漢字は得られない。それでもOSに付随していることもあり使い続けている。日本語を書くことを仕事としている人は、わざわざウインドウズに「一太郎」を入れて使っている人が多いのではないかと思う。
一太郎を開発したジャストシステムは業績悪化によりキーエンスの傘下に入り、開発者の浮川初子氏はすでにジャストシステムを去っている。
しかし昨日のニュースでは、浮川氏は2009年にメタモジを新たに立ち上げ、アップルの i-Pad 専用の日本語入力ソフトを開発、さらなる新しいIT関連技術開発にも取り組んで夢を追うことで意気盛んである。
とはいえ、すでにレールが引かれたIT技術内での話で、この30年におよぶ日本の停滞経済を新たに乗り越えるには、IT以外のさらなる産業の芽を育てていく必要があるように思う。そのキーワードは健康、環境、食糧、農業ではないかと考える。
昨日のニュースで、自分のITの歴史を思い出すこととなった。