Sharp stops Production of Large Size Liquid Crystal Panel
(WEB News)
シャープが大型液晶パネルの生産を停止すると発表した。
10数年前にシャープの大型液晶パネルを生産する堺工場を見学したことがある。工場内はほとんど自動化され人は僅かであった。そして工場には隣り合わせで材料供給メーカーの工場もあり、液晶パネルのコンビナートのような地帯となっていた。
最初の応用は携帯小型計算機であった。シャープが液晶表示版を成功させるまでは電光式であった。液晶表示になり、計算機はさらに小型化され今に至っている。
そしてテレビにも応用され、あっという間にテレビはブラウン管から液晶テレビの薄型に変わって行った。
今ではパソコン、スマホのパネルもすべて液晶であり、世界の人々が毎日のようにその恩恵を受けている。
シャープは液晶の可能性を拡大するために超大型の液晶パネルを開発し、その工場を堺に作った。その完成直後に見学する機会があった。
しかし世の中は超大型液晶パネルを使う需要は増えず、逆にスマホなどの小型パネルが世界規模で需要が激増した。
シャープが傾いた大きな原因は、この大型液晶パネルの需要見込みを見誤り、巨額の投資回収が出来なかったことによる。
液晶の 需要見誤る シャープ幹部
(えきしょうの じゅようみあやまる シャープかんぶ)
その後赤字経営となり、台湾の会社が乗り込み再建を目指しているが、台湾の会社でさえ堺工場を維持することは出来なかった。
液晶パネルは、昔テレビ用ディスプレーとしてパナソニックのプラズマ方式と競い合っていたが、液晶方式が生き残った。しかし、液晶のさらなる方向性については完全に見誤ったということになる。
シャープは堺工場のみならず、液晶事業からの全面撤退も検討しているとのこと。方向を間違えると事業自体も無くなるという、厳しい状況のようである。
このような過去の歴史の中で、電気自動車とガソリン自動車は今まさに競いあっている最中といえる。
一時電気自動車が勢力を伸ばしてきたが、ここにきて陰りが見えている。その原因は、電気自動車の一番の欠点の充電に時間がかかることと、一回の充電で走れる距離が短いということである。
近距離用で、夜には充電できる時間がとれる用途では電気自動車が普及するが、長距離を連続的に走る用途では従来通りのガソリン自動車か、ガソリンと電気のハイブリッド車が将来とも使われると見ている。
燃料電池車(水素車)ならすべての用途に使えるのであるが、コストがあまりにも高いのがネックになっている。
色々考えてみると、電気自動車、ハイブリッド車の両方を推進するトヨタ方式が正解のように考える。ミライという水素車も手掛けているが、値段が高くて普及していない。
水素車の値段をガソリン自動車なみに下げれば、急激に水素車が増えることになると思うが、今のガソリン自動車メーカーが赤字を出して利益を食いつぶすとは考えられない。
水素車の画期的なコスト低減技術革新があれば状況は変わるが。