5 Automobile Manufacturers of Japan committed Fraud
(WEB News)
昨日のWEBニュースに、日本の自動車メーカー5社で認証不正が行われていたとの記事が出ていた。
最近ではトヨタの子会社であるダイハツで同じような不正が発覚し、生産が完全に止まったという事件もあった。このような不正が親会社であるトヨタでも行われていたということは、会社全体の体質の問題であることがはっきりしてきた。
いやトヨタのみならず他の自動車メーカーも同じ様で、
他の業種でも同じであろう。このような不正は企業のみならず、官公庁も含めた日本全体の体質と考えてよさそうである。
その根本原因は何なのか、考えてみる必要がある。
戦後日本は工業を発展させ驚異の復興、経済成長を成し遂げたのであるが、その原動力になったのは真摯にまじめに働く人々であった。その社会的背景には年功序列、終身雇用という働く者にとっては安心して生活できる基盤があったのではないかと思う。
しかし経済成長の後半からは、成果主義、終身雇用の崩壊、非正規雇用の増大など、社会構造が変化した。
その中で、成果主義の導入が一番の原因のように思う。昔の人事考課制度は厳密なものではなくアナログ的な評価であったが、成果主義が導入され目標設定、数値による実績評価になり厳密な管理がされるようになった。
昇格、昇給、ボーナスはこの人事考課の点数で決められるということになった。そうなると当然、業務の実績値を上げるために不正を働く良からぬ者も出てくる。
最初ある個人が不正を働いて実績を上げる。上司がそれを見つけて指摘すれば是正されるのであるが、上司も見過ごすか、見つけても自分の実績に影響が出ることを恐れてあえて指摘しない。
担当が代わり引き継いだ人も不正に気がつくが、問題なく推移している、あるいは指摘するとさらに大きな問題となるなどして、不正も引き継がれる。
上司も同じでそれが社長にまで伝播すれば、今回のような全社的不正となる。社長にまで伝播していない場合には、中間管理職の段階でもみ消してたということであろう。
成果主義が行き過ぎると、不正を働く者が出てくることは十分に予想できる。昔の年功序列の場合には、不正を犯してまでリスクを負うことはあり得ないのである。
不正のない組織を運営するには、性悪説に立った体制造りが必須である。成果主義を導入する時には、不正が行われることも前提にその仕組みも入れておく必要がある。
社外的に極秘にされた不正を公にするには、内部告発しかない。内部告発を正当な業務として組み込むことが出来るかが、不正防止の唯一の手段と考えられる。
残念ながら今の企業では、内部告発した人が処分されることが多い。
企業のみならず官公庁も含めて、不正のない組織にするには、内部告発を正当な行為として制度化するのが必須と考えている。
それが出来ないなら、不正は今後も永遠に続くということで間違いない。