Kyoto Culture Museum Building
(Film Theater on third floor)
Poster of Film Theater
(Film Music of Composer Yasushi Akutagawa)
Poster of Today's Film
(Broken Command)
Inside of Theater
Title of Film
(Broken Command)
Old Kyoto Branch of Japan Bank
Building of old Kyoto Branch
Inside of old Kyoto Branch
Ceiling and Upper Windows
Moving Trajectory(Kyoto Culture Museum)
Moving Distance 14.32km、8481Steps
重要文化財である旧日本銀行京都支店のレンガ建ての建物の北にある7階建てのビルが
京都文化博物館本館である。旧日本銀行建物はその別館として保存されている。
この本館3階にはフィルムシアターがあり、この2月は芥川也寸志の映画音楽の世界として特集を組んでいる。芥川也寸志が担当した映画は約100作品あるといわれているが、それらの一部を上映している。
明日で終わりとのことで、見に出かけた。本日は島崎藤村原作の「破戒」(Broken Command)である。この映画を見るのは初めてであった。
1962年の映画で、白黒映画である。出演者は懐かしい俳優ばかりであった。市川雷蔵、藤村志保、三国廉太郎、岸田今日子、長門裕之、船越英二、中村鴈治郎、杉村春子、加藤嘉、浦部粂子など。特に藤村志保はデビューの映画で、誠に若くて美しい。
芥川也寸志は現代音楽の中でも好きな作曲家であった。特に記憶に残っているのが、NHKの大河ドラマ「赤穂浪士」のテーマ曲である。忠臣蔵といえば、芥川也寸志の曲と言われるくらい浸透している。
重苦しい映像から始まり、流れる音楽は前衛的抽象音楽で、なんとも不穏な雰囲気を醸し出す。終盤の児童の前で告白する場面では音楽は一転し、レクイエムのような荘厳な雰囲気となる。
最後は清らかなテーマ曲で終わる。
芥川也寸志の
龍之介譲りの感性を存分味わえる音楽であった。毎日自宅では CD、U-Tube、DVD で音楽を聴いているが、芥川也寸志の曲も日ごろの聴く曲の中に含めたいと思う。
島崎藤村の「破戒」は中学生の時に読んでいるが、衝撃を受けたことを覚えている。映画では、音楽がさらにその衝撃を増長させる。
映画音楽のすごさを再度実感した。
そして、
住井すゑの「橋のない川」も思い出すこととなった。支配者の大きな過ちにより、その後たくさんの人々が苦しんできている事実を鋭く指摘した小説である。
それにしても、60年ほど前の藤村志保の清楚な若い姿は
広隆寺の弥勒菩薩に重なって見える。青春時代の思いもよみがえる日となった。
いろんなことが頭を駆け巡る映画であった。