YKK & JUKI developed New Fastener without Tape
(WEB News)
先週のWEBニュースでYKKとJUKIが革新的なファスナーを開発したとの記事を伝えていた。
従来のファスナーは、基布である織物テープにポリエステルモノフィラメントを巻き付けた構造になっている。
この基布の織物を無くして、ファスナーをつけたい布に直接ポリエステルモノフィラメントを巻き付けてファスナー構造に仕立てるというもの。
布に巻き付ける機械をミシンメーカーのJUKIが開発している。この新ファスナーでファスナーの開閉性、見栄えも良くなるようである。
ファスナーのテープ織物用ポリエステル繊維、それにポリエステルモノフィラメントは現役時代の会社が独占的に供給していた。YKKはファスナー分野の世界トップシェア―を誇っている。YKK向けビジネスは大きなもので、特にポリエステルモノフィラメントはその専用工場が稼働していた。
当時YKKの社員がよくその工場を見学に来ており、顧客の要望に対応していた。しかし、突然購入をストップするとの通知を受けた。自家工場で生産することになったというのが理由。
工場見学に来ていたのは、その製造ノウハウを調べるためであったことが後で判明した。その後、ポリエステルモノフィラメント工場は稼働できず、撤退することになる。
当然その部門の責任者は責任を取らされたが、YKKはすべての材料を自家工場で供給する方針であることを認識していなかったことが一番の問題であったと思う。
材料からすべて自家工場で製造することにより独自の技術開発が進み、技術が漏洩することもなく、コストも安く、世界でもっとも競争力のあるファスナーメーカーになったと思う。
世界にて 日本のファスナー 席捲する
(せかいにて にほんのファスナー せっけんする)
一方、モノフィラメント工場では、それ以前から少量ながらエンドレンというモノフィラメント集合体用も製造していた。これは崖、土手などの土砂崩れ防止のための排水パイプとして使用されている。土の中に埋め込み、毛細管現象で水を排出するものである。
エンドレン製造販売の権利は当時から福井のアセテート織物機屋に譲渡していたが、モノフィラメント事業もこのビジネスだけではやっていけず、結局モノフィラメントの製造設備もその機屋に引き渡している。
災害が多発する日本でこのエンドレンは爆発的に拡大し、この会社は今では東証一部上場会社に成長している。
事業の栄枯盛衰を思い出させるニュースであった。
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