(China Car Production was 25,225,000 Cars in 2020)
ホンダと日産自動車、三菱自動車の経営統合の話がまとまりそうにない。
まずは三菱自動車が、三菱グループとして統合によるメリットがないとして、統合協議から離脱している。
そして昨日、日産も統合協議から離脱する方向で検討しているというニュースが流れた。
客観的に見て、今回の統合協議は日産をホンダが救済する形になっている。具体的にホンダは、統合の条件として日産が独自に経営合理化を進めることが必須としている。
これに対する日産の経営合理化案がホンダに掲示されたようであるが、ホンダから見ればその案が甘いとの見方になったようである。
その結果、ホンダは合理化を強力に進めるため、日産を子会社化することを提案したという。
しかしこの案を日産は受け入れられないとして、統合の話は破談となる方向に向かった。
日産にとってはトヨタと並ぶ日本の自動車業界を牽引してきたプライドがあり、ホンダという新規参入会社の子会社になることには大きな抵抗があったものと思う。
しかし日本の自動車業界は、そのようなプライドで物事を判断していては、方向を誤るのは間違いない。
ちょうど You-Tube に、過去の世界の自動車生産実績のデーターが出ていた。
それによると、2007年までは世界で一番自動車生産が多かったのは日本で、年間約1200万台(私の記憶では最大約1300万台)であった。その前には中国が急成長しており、2008年には世界一の自動車生産国は中国となった。
そして日本は生産台数で世界第3位に落ち、800万台で推移している。
一方中国の生産台数は今や2500万台となり、ダントツの世界一の自動車生産国になり二位のアメリカを大きく引き離している。
中国が 車生産 世界一
(ちゅうごくが くるませいさん せかいいち)
その重要なポイントは電気自動車で、この分野でもアメリカと並んで世界の生産を二分している。
この電気自動車に乗り遅れたのが、日本であり、ドイツである。日産、ドイツのフォルクワーゲンの苦境の原因は中国での販売不振が大きい。
日産の経営難は今に始まったことではない。ゴーン社長が乗り出す前にも、ベンツが手を差し伸べようとしたが、日産の体質を見極めたのか断念している。
ゴーン社長が強力に合理化を進めて立ち直ったのであるが、ゴーン社長がいなくなるとまた昔の日産の体質に戻ってしまったようだ。
今回ゴーン社長と同じような合理化を期待したのがホンダであったと思う。日産の経営合理化案がホンダの期待するものとかけ離れていたことが破談の大きな原因と判断する。
現役時代にホンダと新しい開発技術商品について協議をしたことがある。ホンダの基本姿勢は、従来の他社にすでに紹介しているものはいらないとして、これから新たに開発する将来の技術、商品について協議したいと主張していた。
ホンダは過去の事例に従うことなく、とにかく先を見通して物事を進めることが社内の雰囲気にある。
会社の体質の違いがホンダ、日産の間では大きく、ホンダとしては統合するには完全に日産を子会社にしないとうまくいかないとの結論になったと考える。
世界はどんどん動いており、経済が停滞している日本ではまだ先頭を走っている感覚で物事を判断している状況がある。
シャープと同じようにいつの間にか、日産は台湾の会社の子会社になっているかも知れない。
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