広島県忠海沖にある大久野島
旧日本軍の毒ガス製造所の説明
(2005年10月訪問時撮影)
昨日のブログではベルギーの
Ieper で、第一次世界大戦中の旧ドイツ軍が毒ガスを使い、地獄絵巻が現実に起こったことにも触れた。
毒ガスといえば日本では大久野島である。ドイツのみならず日本も同じように毒ガスを作り、中国で戦争に使っている。その毒ガス製造場所は広島忠海沖の大久野島であった。
第二次世界大戦当時、この島は日本の地図から抹消されている。国際法で禁止されている毒ガスは極秘で作られていた。徴用された作業員は防毒服を着用して作業したが、猛毒は漏れて体に染み込み死んだり障害をもたらしている。
戦後も作業員はその後遺症に悩まされてガンなどで一生を終えている人が多い。それよりもこの毒ガスが中国で実際に使用されており、中国に対して多大な被害を与えていることも事実である。
10数年前には広島は三原に住んでいたので、近くのこの島も訪れている。忠海から船で15分ほどで着く。
今ではこの島には国民休暇村ができ、宿泊できるようになっている。毒ガス資料館、建物の残がいだけが昔の忌まわしい事実を思わせる。
戦後、毒ガスが残っていないか知るためにウサギを放したのではないかと推測する。鉱山のガス漏れ探知にカナリアを使っていたのと同じ考え方である。今ではウサギが増えて、ウサギの島として知られるようになった。
戦争は、国内外ともに多大な犠牲を与えることをこの島を訪問し実感する。しかし、中国に与えた膨大な被害のことは、この資料館ではほとんど触れておらず大変な手落ちではないかと思う。
今でもシリアで毒ガスが使われたとの情報がある。
畜生的生き方の典型である、目的達成には手段を選ばずの所業と思う。
人間はもともと理性というものを備えている。しかし
自我の確立前のゆがんだ育ち方が理性なき人間にしてしまうのではないか。生まれて中学生になるまでの無意識のうちに形成される人格の重要性をますます強く感じる。