2019年10月29日火曜日

Order of cultural Merit(文化勲章)

Dr.Yoshino & Others are awarded Order of Cultural Merit
(Today's WEB News)
WEB News Article about Dr.Iijima Sumio 
(dated 23, April, 2018)

  本日のWEB ニュースで、本年の文化勲章に先日ノーベル賞を授与されることが決まっている吉野博士らに与えられると報道された。

  今回も、ノーベル賞をとった後に文化勲章授与を決めている。日本の勲章であるので、まずは日本で評価され、先に日本の文化勲章が与えられるのが普通と思うのであるが、いつも逆である。

  しかし、その例外になる可能性のある人がいる。それはカーボンナノチューブの発見者の飯島澄男博士である。カーボンナノチューブの発見は1991年のことで、それ以来毎年ノーベル賞の候補と世間では言われている。

  しかし発見から28年が経つが、ノーベル賞は与えられていない。一方、日本政府は高く評価して、すでに2009年に文化勲章を授与している。

  いつもはノーベル賞が与えられてから文化勲章を決めるという、後手ばかりになっている。それを気にしてか、飯島博士だけは文化勲章をすでに与えている。

  皮肉なもので、先に日本政府が評価した人には、今のところノーベル賞の声はかかっていない。

飯島氏 今年もノーベル 逃すかな
(いいじまし ことしもノーベル のがすかな)

  一方、ノーベル文学賞を授与された作家で、文化勲章を辞退している人もいる。その背景には、本来政府は文化勲章を与えることは考えていなかったが、ノーベル賞が授与されたということでやむなく決めたという背景を批判してのことではないかと思う。

  ちなみに、ナノカーボンの三大発見といえば、発見順にフラーレン、カーボンナノチューブ、それにグラフェンである。すでにフラーレン、グラフェン発見者にはノーベル賞が授与されている。

  カーボンナノチューブ発見者にノーベル賞が与えられない理由に、文化勲章という日本で最高の名誉としてその功績が認められており、あえてノーベル賞は必要ないとの判断があるのかもしれない。

  最後の仕事はつくばの産業技術総合研究所でのカーボンナノチューブの研究開発であった。そのセンター長が飯島博士で、毎年10月初めのノーベル賞発表前には、記者会見の準備をしていたことを思い出す。今も毎年準備しているものと思うが、もうその必要もないのではないか。

  勲章なんて関心ごとでもないが、文化勲章とノーベル賞は不思議な関係にあるといつも感じる。

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