You-Tubeをサーフィンしていると「フォークであることー高田渡と高石ともや」の動画が出てきた。2004年ころのテレビ番組として放映されたものである。
学生時代は学生運動が激しかったが、同時にフォークソングも流行っていた。その代表的歌い手が、高田渡と高石ともやであった。
高田渡といえば「自衛隊に入ろう」という歌が、まず思い浮かぶ。学生のころに聞いて、自衛隊を皮肉っており反戦歌であることはすぐに理解した。
しかし当時の防衛庁は、この歌の語句をそのまま鵜呑みにして自衛隊の宣伝として使えると申し出したそうである。まもなく逆説的な意味で反戦歌ということが分かり、取り下げたというエピソードがある。
その後も地道に働き生活する人々の生きざまを歌にして、庶民の代弁者のような文言に共感する人が多かった。以前、ブログに載せた「値上げ」もその一つである。
一方、高石ともやは高田渡より数年年上であるが、やはり学生運動盛んな時のフォークシンガーとして活動している。
今も記憶に残る歌は「受験生ブルース」である。当時の学生の思いを表したもので、共感した人も多い。
ブームが去って、この二人の方向は異なってくる。高田渡は、一般庶民の生活を歌い続け、自身はお酒にどっぷりとつかり、アルコールを飲みながらのライブであった。
印税などでそれなりの財産は出来ていたにもかからわず、借家の長屋住まいであった。庶民の生活を歌うものが豪邸に住んでいては、真の歌が出来ないというのが考えにあったようだ。
しかし、アルコール中毒のせいか、56歳という若さでこの世を去る。
高石ともやはブームが去ると田舎に引きこもり家族と生活し、酒たばこをやめ、体を鍛えることに専念する。
トライアスロン、フルマラソンにたびたび出場していることが知られている。すでに80歳になるが、いまでもマラソン大会などの余興で歌ったり、歌を作ったりしている。
フォークソング時代に大活躍した二人であるが、晩年には大きな違いを見せている。
高田渡がアルコールをやめておれば、今も元気で歌っていたことと悔やまれる。庶民の代弁者として社会を動かす力になっていたかも知れない。
最近のイギリスの研究では、少しのお酒でも脳の老化を進めるという結果が出ている。
酒の害 少し飲んでも 脳老化
(さけのがい すこしのんでも のうろうか)
たばこは最近かなり規制されてきたが、お酒は飲み放題である。酒の害を啓蒙するなど、何らかの対応が必要ではないかと思う。
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